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この間たまたま「まんが日本昔ばなし」についておしゃべりしたのですが、昔話って懐かしさを感じさせる典型ですよね。
でも面白いことに、「まんが日本昔ばなし」の時代設定というものは、私たちが生まれるずっと前、つまり私たちが直接経験した事のない時代ですので、当然それについての実際の記憶というものはないはずです。
にも拘らず、私たちはそうしたものに触れて懐かしさを感じます。
そこで考えたのは、懐かしさという感覚は単純に事実に基づいた記憶を元にしてのみ引き起こされるものではないのではないかということです。
何やら、心の中に懐かしさを感じさせるルートがあってそこにエネルギーが流れ込んで活性化する、そんな感じがイメージできました(心的エネルギーに関しては、フロイトの精神分析学を拠り所とするのがいいかもしれません)。
昔話に関して心理学的にもっとも親近性があるのはユングの理論でしょう。ユングによると、われわれには、個人の経験に基づく個人的無意識のみならず、皆に共通の集合的無意識もあるということです(集合的無意識には個々の民族レベルや人類に普遍的なレベルなど、様々な段階があります)。集合的無意識にはいくつものパターンが詰め込まれていて、このパターンを元型といいます。ユングは、この元型が表現された例として、神話や昔話・おとぎ話などを挙げています。
ひょっとすると、懐かしさというものも元型の一つであって、それが昔話を聞く等の刺激によって活性化されているのかもしれませんね!